2020年6月17日の参院本会議にてドローンの登録を義務付ける航空法改正案が可決、成立しました。
今回の法改正で2022年初めまでに、改正航空法の規制対象となる200グラム以上のドローンの所有者は氏名や住所、機体情報などの登録をすることが義務付けられることとなり、事実上、ドローンに対する規制が強化される事となります。
今後、国土交通省により制度やシステムが整備されることとなりますが、現在わかっている情報からドローン登録制度について考えてみたいと思います。
警察庁の発表によると、2019年の改正航空法や小型無人飛行禁止法などに違反し検挙された件数は111件(検挙された人は115人)となり、過去最多を更新しています。この内半数近くが外国人だったこともありますので、ルールを知らずに検挙された人が大半なのではないでしょうか。まずはこういった外国人も含め無知が故に違法飛行をしてしまわないように、飛行場所、飛行ルールの周知といった啓発活動が必要となっていくでしょう。あわせてドローンの登録制度により、違法飛行をするドローンに対して取り締まりを強化していく方針だと考えられます。
現在、人口密集地域や空港周辺といった飛行禁止空域における飛行や、人や物から30m以上の距離を確保できない飛行などを行う場合に国土交通省へ飛行許可申請をする必要があります。これをドローン情報基盤システム(以下DIPS)というシステムでオンラインの申請を行うことが可能なのですが、『無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領』が改正され、2020年3月26日以降の許可申請を行う際には無人航空機の所有者情報を申請書に記載することが必要になりました。
こういった許可申請の必要な飛行をする場合には所有者、機種、機体の型番といった機体情報の登録は行っています。今回の法改正ではこういった許可申請の飛行をするか否かに関わらず、改正航空法の規制対象となる200グラム以上のドローンの所有者は国土交通省に登録申請を行い、個別の登録番号(ID)が発行されるようです。このIDを飛行時に機体に明示する必要があり、違反した場合に刑罰が科せられます。車のナンバープレートのようなイメージでいいかと思います。
また将来的にはドローン側から個別の登録番号(ID)を電波で発信することが、義務付けられるという情報もあります。
先に述べた違法飛行し検挙された人の動機の第一位は『記念撮影』だそうです。こういった軽い気持ちで違法飛行を行い、大きな事故などにつながる可能性もあります。事故が起こってから悪気はなかった、知らなかったでは済まされません。2019年秋には関西国際空港周辺でドローンの飛行が確認され、滑走路が閉鎖された事案も記憶に新しいところです。
今後、政府は一定の危険を伴う飛行をする場合の操縦者の免許の取得を必須とする制度の導入も検討されています。
ドローン産業の健全な発展のため、今後の法整備に注視していきたいところです。
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