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GPS等の機能を利用しない飛行訓練とは

ドローンを安定して飛行させるためにGPSは大変大きな役割を果たしています。

ここではドローンを飛行させる際のGPSの役割について解説していきます。

 

そもそもGPSって何だろう

GPS(Global Positioning System)とは、一般的には衛星測位システムの代名詞的に使われることが多いですが、正確には米国によって運営されている衛星測位システムを指します。現在の測位衛星は米国のGPS以外にもロシアのGLONASS、欧州のGalileo、中国のBeiDou、インドのNAVIC、そして日本のみちびき(準天頂衛星)などがあり、各国の衛星測位システムを総称して、GNSS(Global Navigation Satellite System)と呼びます。

GPSは現在、民生利用にも高精度で開放されていますが、冷戦真っ只中の1970年代に最初の衛星が打ち上げられていることから、当初は軍事目的に開発されたシステムであり、今でも軍事利用が最優先となっています。

DJI社のphantom4 proではGPSとGLONASSから位置情報を受信して、安定して飛行させることが出来ます。また、高精度のドローン写真測量に特化したPhantom4 RTKでは、GPSとGLONASS以外にもBeiDou、Galileoからも位置情報を受信することが出来ます。

 

測位衛星から位置情報を測位する方法

測位衛星から受信した信号には、衛星の位置電波が発信された時刻の情報が入っています。電波が発信された時間と受信機が電波を受信するまでの時間がわかれば、電波の速度から測位衛星までの距離を求めることが出来ます。誤差を少なくするためには衛星の位置が正確であること、送信側の時計と受信側の時計正しく同期されている必要があります。

3次元の位置(X,Y,Z)を決めるには最低でも3つの衛星が必要となります。計算上は3つの衛星で位置情報を求めることが出来ますが、実際には前述したように受信側の時計の誤差の補正などを考慮すると4つ以上の衛星から電波を受信する必要があります。

測位衛星が発信する電波の情報の質は一定と考えると、その精度を決定しているのは受信側で誤差をどう処理するかにかかっていると言えます。

 

GPS等の機能を搭載したドローン

GPSを利用することにより、ドローンは風などに流されそうになった場合もGPSの位置情報を参照し、高度な自律飛行を維持することができます。一般的にこういったGPSを搭載したドローンは初心者であっても、一定高度を保ったまま特定の位置でホバリング(空中で停止している状態)を維持することが出来ます。

また、先に述べたPhantom4 proなどはGPS以外にもビジョンポジショニングシステムを搭載しています。ビジョンポジショニングシステムはドローンの下方についた超音波センサー、イメージセンサーにより屋内などのGPSが受信できない環境下でもGPS受信時と同等の安定した飛行が可能となります。

ドローンを安定して飛行させるため、GPSやビジョンポジショニングシステムを利用できればベストなのですが、飛行場所や状況などによりこういった機能を利用できない場合があります。

GPSが利用できない可能性がある場所

  • トンネルの中や建物の中
  • 高層ビルの間
  • 森の中や峡谷

基本的に上空が開けていない場所はGPSが利用できない可能性があると考えていいでしょう。

 

GPS等の機能を利用しない飛行訓練とは

航空法第132条に定められた『飛行禁止空域』における飛行や同132条の2に定められた『飛行の方法』によらない飛行を行おうとする場合に、国土交通省への許可申請が必要となります。

その場合に無人航空機を飛行させる者に関する飛行経歴・知識・能力確認書というものがあります。その中でGPS等の機能を利用せず、安定した飛行が出来ることという要項があります。ここでいうGPS等というのは前述したビジョンポジショニングシステムなども含まれます。

こういった国土交通省への許可申請が必要な飛行をさせる場合には、GPS等の機能を利用しない飛行訓練を行うことは必須となっています。

GPS等の機能が利用できない状態で、ドローンが風で流された場合などは手動で機体をコントロールし補正しないといけなくなるため、操縦難易度は急激に高くなります。場合によっては墜落等の事故につながるでしょう。

こういったGPS等の機能を利用しない飛行訓練を行っておくことで、不測の状況でGPS等の安定飛行をサポートする機能がつかえなくなった場合にも、あせらず対処することが出来ます。

当スクールではGPS等の機能を利用しない操縦についても、受講者様が自信が持てるようになるまで、粘り強く講習を行っています。

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